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September 14, 2006

在留管理制度の改正論議を診る-02

これまでの改正の動きとこれから

 まずは、表2を参考にしながら、これまでの動きをおさらいしておこう。
 表立った議論が始まるのは自民党政務調査会が2005年6月に公表したペーパーで、テロ対策や犯罪対策を連ねたものだが、いわゆる水際対策だけでなく、ここで始めて在留管理の強化を謳い、具体的な項目を挙げている。(表2)この段階ですでに、雇用状況報告の義務化などを含んでいた。
 この後、議論は小泉改革全体をコントロールする政権の本丸、「規制改革・民間開放推進協議会」に引き継がれた。05年12月の第二次答申の中には、「必要な行政サービスが適時的確に提供されるよう」という、かねてより「外国人集住都市会議」やそのブレーンが強調してきた観点と合わせ、先の政務調査会ペーパーの骨子の大部分が盛り込まれている。
 政務調査会のペーパーは、ちょうど米国のUS-Visitの日本版を入国審査に導入する議論と平行して行なわれたため、当時は「IC在留カード」の導入など情報システム面ばかりが強調されて報道されていたが、現在から見ると、すでに既定の路線になっていた水際対策よりも、新たな項目を並べ在留管理制度の側面を強調したことの方が重要だったのかもしれない。もっとも、システム面の検討は犯罪対策閣僚会議がワーキンググループを作って検討を続けており、どちらかといえばこちらの方に主導権が移る。秋までに、この閣僚会議のWG、推進協議会の外国人WGの双方で、お互いを睨みながら検討が進められ、現在は最終的な答申案が調整されているところだと見られる。
 今後の日程としては、早ければ、規制改革・民間開放推進協議会が年内にも予定している第三次答申(06年12月)でより具体的な改正ポイントが列挙されることになりそうだ。この答申に沿って法案化され、07年の時期通常国会に関連法案が提出される可能性がかなり大きい。
 06年06月に、法務省、厚労省、総務省が相次いでそれぞれの観点からペーパーを公表しているのも、年末までに策定される答申をにらんで、それぞれの立場を表明したから。経団連や日弁連、外国人集住都市会議も、この時期に再度意見表明をしている。
 次期首相となりそうな安倍官房長官は、これまでのところとくにこの流れをさえぎるような発言はしていない。同推進協議会の位置付けが、次期政権で変更されるようなことがない限り、改正を巡る議論は、今まさに正念場を迎えている。
(つづく)

表2 在留管理改正への主要な動き
2004年4月 経団連「外国人受け入れに関する提言」
          外国人雇用法と就労管理制度を提言
2005年6月 自民党政務調査会「新たな入国管理施策への提言-不法滞在者の半減をめざして」
        IC在留カードの発行と、外国人、企業、学校に新たな変更・報告義務
2005年7月 犯罪対策閣僚会議に「外国人の在留管理に対するワーキングチーム」発足
2005年11月 外国人集住都市会議「規制改革要望書」
        自治体のサービス・事務に即した登録制度を要望
2005年12月 規制改革・民間開放推進会議「第2次答申」
        外登制度の見直し、関係省庁・自治体の在留情報共有、企業・学校に報告義務を盛り込む
2005年3月 閣議決定「規制改革・民間開放推進3か年計画」
        2006年度の「検討」項目とする。
2006年3月 総務省「多文化共生の推進に関する研究会報告-地域における多文化共生の推進に向けて-」
2006年6月 法務省:今後の外国人の受入れに関するPT
        「今後の外国人の受入れについて」
         →日弁連の意見書
        厚労省:外国人労働者問題に関するPT
        「外国人労働者の受入れを巡る考え方のとりまとめ」
        外国人労働者問題関係省庁連絡会議
        「『生活者としての外国人』問題への対応について
        外国人の在留管理に関するワーキングチーム
        「検討状況報告」
        経団連 「2006年度日本経団連規制改革要望-競争力と活力ある経済・社会の構築に向けて」
2006年7月 規制改革・民間開放推進協議会「外国人WG」
2006年7月 規制改革・民間開放推進協議会「中間答申」

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Posted by: majordate | November 26, 2007 at 03:50 PM

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