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April 29, 2006

子細は政令で、粗い法案

 衆院の審議を通じて強く感じられたことだが、非常に法案が粗っぽい。なにせ、生体情報の採取を義務化したことと、テロを準備する者やテロリストを支援する者と「疑うに足る相当の理由があると認められる者」を退去処分できるとする規定を設けただけで、あとは、ほぼすべて政令によって決めるという、子細の規定を全く欠いた法案なのだ。なんと、採取する生体情報を何にするのかも政令で定めるという書き方になっている。虹彩や静脈形状ではなくて、指紋や顔写真にするのも政令だというのだ。
 粗っぽいのは、なにも法案だけではない。生体情報を消去する時期に対する回答も定まらず、最終日の野党質問でようやく見解を統一する始末。なぜ、外国人に限るのか。外国人登録で全廃したばかりの指紋採取をなぜ再開するのか。在日朝鮮・韓国人を対象から外したとはいうものの、永住者を含め外国人のほぼすべてを対象としたのはなぜか。そうした各論点に対する回答は、まったくのモンキリ調。とくに頭を捻った形跡がない。
 とはいえ、昨年9月の衆院選で自民党が大勝を納めているので、同院の法務委員会でも圧倒的な数的な優位を誇る与党。傍から見るに、こんな回答でも裁決に向かうのかと、その威力をまざまざと見せ付けられた。与党に論戦の意思がない以上、国会といえども論戦は成立しないのだ。
 住民票について定める住民基本台帳法でも外国人登録法でも、登録を義務付けデータベースを作るためのこれまでの法制度では、登録する項目のひとつひとつに至るまで、子細な規定が定められているものだ。出入国に係わるどんな項目をデータベース化するのかすら、まったく規定がないというありさまだ。

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