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January 07, 2006

今年もイミグレるぞ! 大急ぎで昨年を振り返る!

 今年もよろしくお願いしますということになるのだが、去年の年初めはなにを書いたんだっけと思って見直してみた。
 すると昨年は1月も下旬になってようやく「今年も通常国会が始まった」なんてタイトルで書き始めている。ずいぶんと手抜きをしたものだ。

2005/1/29 今年も通常国会が始まった

 とはいえ、2005年の年頭に2004年を振り返りながら、一年の主要テーマを列挙してみせているという点では、まあまあか。今年もこれにならって、昨年を振り返るところから始めてみたい。

.「官邸主導」に安定感:ポスト小泉でも不動!?

 昨年あった大きな変化のうち、まずトップに上げなければならないのは、やはり首相官邸のイニシアティブがこれまでになく強くなったことであろう。両院の法務委員会の構成もガラリと変わって、民主党委員が減少。そのメンバーも大幅に交代している。
 総選挙の結果で変わったのは、事実上法案を作っている法務省を初めとする関係省庁の雰囲気である。
 かつては、法務省が、基本方針や法案の骨格まで決めることが多かった外国人関連行政の分野だが、それが小泉政権下でかなり変質したことは、すでに別稿で述べた。

2005/8/8/ 入管関連法改正とトップダウンの小泉スタイル

 解散直前のタイミングに書いた記事だが、当時は、小泉政権が終わればまた元にもどる一時的な現象にすぎないと考える余地が残っていた。法務省を初め各省庁もそんな感覚を、どこかに持っていたと思う。
 しかし、総選挙後は、少なくとももう一年。いや、それどころか、以後の政権でも同一のスタイルが続くのかもしれない。という雰囲気が強くなってきた。もはや、官邸から降ってきたテーマを、先送りしてしのぐことは難しくなったと感じられるのだ。


「少子化」と「地域統合」:外的な環境は継続

 出入国管理や外国人行政に影響を与えそうな内外の「環境」については、それほど大きな変化はないように思える。
「少子化」では、12月に発表された国勢調査の集計の速報値が公表され、じっさいに国内人口が減少する局面を迎えたことが確認された。10年以上も前から予見されていたことだが、認知がより進んでいることは間違いない。
 04年年末に経団連が、外国人労働者導入の制度の整備を要請する報告書を発表し、この報告書も、さまざまなシーンで引用されていた。法務省が3月に発表した第3次基本計画も、実行性は骨抜きという批判は免れないものの、専門職・技術職という一定の職域についてのみだが、門戸を開き定着を促す方向性を明記したという意味で、方向転換を取り入れた内容だった。

 昨年は、このブログではまったく触れていないのだが、もうひとつの外部環境は、2004年の拡大EUのスタートに続く地域統合も、外国人政策に大きな影響を与えている。
 EUは領域の拡大とともに内部に大きな経済格差を抱えることになった。域内の人的な交流を自由化しているので、これは事実上の外国人労働者の導入を意味する。国内の報道では、イギリスやフランスやドイツへ人口移動は、EU拡大の「負の部分」として伝えられているが、そんなことはやる前からから分かりきっていたこと。EUによる地域統合の推進勢力には、これを良しとする、あるいはそれを前提に統合を肯定している勢力がかなりいるはずだ。ようするに、EUには、資金やモノの移動だけでなく、こうした人口移動を意図しているところがあると言っていい。
 中国やインドの台頭もメディアが大きく取り上げている昨今だが、それでも未だに日本の直接の競争相手が欧州であるとするなら、そうしたEUの動きを見ていかに対抗すべきかなんてことは、少なくとも各企業や業界団体、そして経産省は考えているだろう。FTAだかなんだかという動きも、そうした動きと関連付けながら見ていきたい。

日系人の社会統合がテーマに浮上

 上のようなテーマから比べれば数段地味だが、定着度を増す日系人が、いかに社会的に統合するかというテーマがだいぶ浮上してきたことは歓迎したい。
 法改正に先行するかたちで80年代末から「里帰り」するようになった日系人だが、彼らと集住地区の自治体は、子ども達の教育問題・進路問題をかなり強く意識するようになった。
 集住都市会議のように、自治体が問題意識を発信するのはかなりめずらしいことではないだろうか。年末に起こった広島の誘拐殺人事件の一件が、表立った日系人パッシングにつながらなかったのも、受け入れている地域の意識がしだいにいい意味でセンシティブになってきたことが、背景になっているのだと思いたい。日系人に限らず、日本で育ち成人している子ども達はすでに増え始めている。身近なテーマだけに、民間でもすでに様々な動きについて報告を見かけるので、ここでも丁寧に取り上げていきたい。

どこまでいくのかテロ対策

 首相官邸が下ろしている大きなテーマに、テロ対策がある。昨年はIC旅券の発行に伴う旅券法の改正が済んでいるし、1月末からの通常国会には、かなりまとまった法案が提出されるのではないかと見られる。すでに米国からは、盗聴捜査をきっかけにテロ対策を見直す動きが伝えられるようになったが、この国ではこれからが法改正の本番といった感じになるだろう。

以上駆け足ですので、漏れているものがあるような気がします。まあ、相変わらず今年も駆け足になってしまうのだろうと思いながら…。

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