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April 21, 2005

人身取引:参院法務委員会傍聴メモ07

参院法務委員会での審議は本日が最終日。

公明の木庭質問で、運送業者に求める旅券確認の意味がようやく
飲み込めた。現在行なわれているボーディングチケットの発券時ではなくて、搭乗者用ロビー(というのかな)
から、飛行機に乗り込む際のチェックをするというもののようだ。
まあこうしないと、もし出国手続き後にパスポートを差し替えても日本にはこれるわけで、飛行機の到着前に通知されてくる搭乗者のリストとの同一性が保てるということだろうか。
でも、搭乗者リストが入国審査に利用されるようになっても、このような差し替えが行なわれる
恐れがあるのかな?
うーん。入国審査官がグルになればできるなぁ。
この意味での2重チェックということなのかなぁ。
入国審査を二人でするということを言う人もいたけど、
それよりコストダウンできるということか。
ならそういえよ。

さて、人身取引では、付帯決議が注目されたが、
それほど、楔を打つような付帯決議とも思えなかった。
唯一、前回触れたセンター構想の検討が盛り込まれたところが気にはなったが。


とにもかくにも、全会一致で可決。
明日あるいは週明けにも本会議を経て参院を通過する。
衆院での審議は、もし会期延長がないとすれば、5月後半といったところだろうか。
もちろん、延長されれば、流動的になる。

■松岡徹(民主党)
 各省庁があれやりますこれやりますというだけで、結局各省の都合で具体的な施策が行なうことになっている。なぜ、これで実効性が保てるのか。

■千葉景子(民主党)

  情報提供というのがある。クルド難民申請者についてトルコ政府の協力をえた
  現地調査をすることで、その身が危うくなることになった。
  このようなことのないようにどうなっているのか、それがまず一点。
  運送業者の旅券確認作業があるが、これにより庇護を求める権利を無くしてし
  まうような、恣意的な運用の恐れがある。

大臣
   情報提供の規定というのは、情報の範囲、入国管理局のもつあらゆる情報を
   提供できるというものではないということです。
   新設する情報提供規定の運用にあたっては、指摘の点に十分配慮する。
   難民の出国を妨げることはないように、したいと思う。

千葉
   被害者の保護のため、在特を利用するということですが、その審査の間に
   収容を余儀なくされるのであるが、それでは、矛盾することにならないか。
   仮放免を直ちに出すなど、出来る方法で、出来得る限り収容を避けるべきと考えるがどうか。

三浦
   調査を行なうにあたり、不法滞在であれば、退去強制手続きをとらなければならない。
   在特もこの手続きの途上にするものだ。しかし、できるかぎり収容を避けているものであり、
   じっさいにそういう運用をしている。

千葉 
   これまでと異なるのはなにか。
   実が挙げられるのか。
   実態の把握、被害者の認知も難しい。
   どこが中核となって全体を動かしていくのか、システムとして実を挙げることができるのか。

   法務省有り、内閣府有り、厚労省があり…。自治体は、
   いったい、これを全体としてどうやって動かしていくのか。
   法務省がそれをやるというわけではないけれども、この問題を閣議当で
   取り上げていただき、政府全体なんでしょうけれども、問題提起していただきたい。
   また後に改めてそこがどうなったのか聞かせていただく。
   今後の検証も必要だ。毎年報告いただくような対象が必要です。
   大臣、きちんと提起していただけますね。毎年報告されるようなところになるように、
   大臣にお願いしてお答えください。

大臣
   解明された実態については、有効な取締りや被害者保護の改善に取り組む。
   検証についても考えたいとおもいます。


【木庭健太郎(公明)】

   議定書と各改正項目がいかに対応しているのか。
   略取誘拐や逮捕監禁罪の引き上げ、旅券の受交付に対する犯罪化は対応するものではない。

木庭
   旅券の密造偽造の状況は?

三浦
   日々空港や港において偽造旅券が発見されている。中国人が31%タイ、フィリピン15%が続く。
   260件の我が国の変造旅券が発見された(去年)。
   偽造と成りすましが数多く発見されている。バンコクに技術職員を派遣している。
   出発地における変造文書の発見に務めている。

木庭

   法改正により運送業者に対してどんなことをしようとしているのか。

三浦
   現在でも、運送業者は運送約款のかなに、旅券の確認が含まれている。
   偽造旅券が発見されれば登場が拒否される。
   チェックイン時の旅券確認が中心になっています。
   出国審査が終わった後の登場エリアでの旅券の確認をする。
   これまでは、ブローカーからこの段階で変造旅券を受け取り到着後に使用するという例があった。
   搭乗口で大量のお客さんに対して実施するので、入国審査と同等のレベルのものである。
   確認項目は指針を設けます。研修会を随時開催するよう検討している。
   事前旅客情報システム、これは機能しているのか、どんな効果を挙げているのか。
   本年1月から運用されていますが、乗客の情報を電子データで、警察入管に送っていただく。
   要注意人物のリストとそれぞれが照合する。
   現行では3分の1の業者に、任意で協力していただいている。
   指名手配の容疑者である日本人を、空港で待ち構えて逮捕するという事例があった。

木庭
   組織的犯罪処罰法の摘発状況の説明を

警察庁
   昨年末までに156件を検挙。人身取引に関するものの具体例は、
   売春業者が仮名口座を利用したもの。暴力団がみかじめ料を売春業者から徴収した事案。
   犯罪収益の剥奪にむけて努力しております。摘要事案は増加しており、今後も努力したい。

木庭
   マネーロンダリングではどのような国際協力が?

警察庁
   国際社会での協力が大切。各国や国際機関がコンタクトポイントを設けて、情報交換し、
   取り締まりを推進している。大使館等の協力により検挙につながった事例もある。

木庭
   本当は、被害者をいかに的確に保護できるかが実行性を高めるいちばんのポイントとなる。
    富田政務官、にその実行性をたずねます。

富田
   法律上明記されるので、安心して被害の申告ができるようになるのではないか、
   広報にも力をいれてやりたい。

木庭
   全国の婦人相談所でどうやって、母国語対応できるのか教えていただきたい。

厚労省
   通訳の予算措置はしておりますが、必要な通訳を派遣していただくということで承知している。
   地域の現場でいろいろノウハウを蓄積することが大事。

木庭
    結局、そうすると全国2箇所にある、民間シェルターに頼らざるをえないわけですね。
   1千万の予算を増やす意思はありやなしや。

   実績が昨年は28名、2百数十名分ということは単価はともかく、足りるのではないか。
   それでたりないとなれば十分弾力的に婦人保護事業費8億円の中で、充てていくということ。
   それで1次保護事業はできるのではないか。

木庭
   もっと民間シェルターと話していただきたい。一時保護だけでなくてどこに費用がかかるのか。

   IOM、帰国費用の負担を含む支援を行なうようになった。もともは移民を支援するためのものだったが。
   合法的な状態で帰国していただくというのが、いっぱんてきになろうかと思う。IOMや政府機関、
   NGOなどの連携によって帰国後のことはお願いしている。
   被害者が帰国する。費用がなければIOMが負担する、帰国後に安全なシェルターに保護していただける。

木庭
   大臣。尾辻厚労省大臣とぜひご協議いただくことをお願いして、決意表明をいただきたい。


井上哲士(共産党)

   議定書の中身には権力の乱用云々とあるが、改正法にはどう反映しているのか。
 
三浦
    結論としては、人身取引議定書における人身取引の定義をすべてカバーしている。
   刑法上の略取罪の援用で、入管法改正案の「略取」に含まれる。

三浦
   人身取引の場合でも、在特手続きもできなくなりますから、退去強制事由からは除外しなかった。

井上
   となると大臣が在特をじっさいに出す課が問題。すでに議論したごく僅かな例外以外には
   在特を認めるんですね。大臣。

大臣
   重大な犯罪を犯した場合など特別な事案を除きまして、在特を許可する。

井上
   入管に4回も通って1か月もかかった。手続きのために帰国のお預けを食うという感覚が生まれているという話があったが、この点ではどう改善するのか。

三浦
   可及的に速やかにだが、審査の面と、帰国が出来る常態か、費用とか旅券の手配とか、時間がかかる側面がある。
   一度に何段階かの手続きを済ませてしまうようなことをしたい。関係機関から確かな情報があれば5日程度で在特許可したこともあり、このようにしていきたい。

井上
   委託費が出されることは改善。参考人も行っていたが、通訳やDVとは一緒にできず部屋も必要、電話代もかかる。委託費だけでなく、運営そのものへの助成も考えたらどうか。


厚労省
    私どもの社会保障制度の枠内では1次保護の委託が限界だと考えている。

井上
   特別交付税で対処したらどうか。
   DVでは特別交付税でやっている。シェルターが人身取引法の中でやれば、これを出していく。

井上
   パンフレットでは、母国語での電話対応が記載されている。これは費用がかかりますよね。相談窓口業務だけでも助成はできない。
   24時間の電話のコンタクトポイントは重要。政府としては110番で対応する。これがもっとも有効なコンタクトポイントだという認識。
   NGOのコンタクトポイントには費用負担を意図していない。しかし、今後協議しながら考えていきたい。

井上
   政府は110番を位置付けるとしても、被害者にとってはどうでしょう。1次保護の終了が速やかに行なわれるよう考慮することという指示があるが。
   そもそも1次保護があくまで短期的な処置というコンセプト。さらに必要なら弾力的に運用できると考えている。対策という趣旨については、良く配慮してバランスよく適切な運用がなされるように…。

井上
   政府としての総合的な窓口をおく。NGOとの定期的な協議が必要。少なくとも内閣官房がきちっとやるということをお願いしたい


原案通全会一致で可決


付帯決議案

責任体制を明確にすること。

被害実態の把握に鑑み、民間とともに調査し検証し、改善すること

周知のための一層の工夫をこらすよう。

警察当に適切な通訳を配置する。

対応する職員の教育・研修

婦人相談所の拡充、民間シェルターの支援。

個人情報が乱用されないよう配慮。

運送業者に

専門的な相談機関の設置と総合的な法制度の確立を検討すること

南野大臣の付帯決議案への発言
   その趣旨を踏まえ適切に対処してまいりたい。

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